圧倒的に走ってく

基本的には行ってきたライブのこと。たまにCDと本と諸々の話。

狩られたのは

シングル『悪魔狩り』の勝手な感想と考察…にもなっていない、つらつら考えたこと。
※聞いてない方はネタバレ注意

1.悪魔狩り

楽し気な音と戒めのような歌詞の対比がゾクッとする。
意気揚々と悪魔を狩っていたつもりが、狩る側がいつの間にか狩られる側になっている。
そのまま悪魔や魔女を排除していくと、真っ平で何もない世界だけが残った。
心の中に悪魔を持っていないものなど居なかったのだ。

SNSの誹謗中傷などもそうだけど、近年の言葉狩りや表現の規制などにも通ずると思う。
悪い(とされる)ものを排除していくと、個性も何もない世界になっていく。

……これ以上考えると背筋が寒くなったので一旦この辺で。

2.un-gentleman

聞いて早々ハモニカクリームズ節が炸裂していて楽しくなってしまった。
これは事前にクレジット公開されていなくても分かるやつ…
歌詞に描かれているのは星を探しに行ったり幸福を見つけに行ったりする無鉄砲な『お嬢さん』をひたすら諭す男性。
自らの事を非紳士と言っているが、その言葉はとても優しい。
思い浮かべたその風貌は、『アゲハ蝶』の旅人、『まっくら森の歌』の闇を仕舞う男、『森の』……
最後にはお嬢さんの幸せを願って去っていく非紳士。
なぜこんな聖人君子のような存在が非紳士と名乗るのか?

…すぐに傷つけてしまうような爪と牙を持っているから、お嬢さん、お逃げなさい、とでも言うのだろうか。

3.meridian

今回の中で一番綺麗で、一番色々な感情が渦巻いている曲。
光の中の闇というのか、闇の中から光を掴んだ者に向けてというのか。
光があるところには必ず闇がある。
その闇を肯定し、寄り添ってくれる曲…なのだと思う。

光に絶望した私は、闇を歩く。
『光に呑まれた君』に対し、『闇の私』はさよならを決める。
光に満ちすぎた場所には私は居られない。
光が眩しすぎて辛くなることもあるから、闇を歩かせてくれ。
『光』という言葉が指すのは聞く人によって違うのだと思うが、私が最初にこの曲から思い浮かべたのは、死だった。
『さよならだ』というのも永遠の別れだからで、闇こそが現世のことなのではないかと。

聞き込む内に、表舞台と裏舞台の話にも聞こえてきたり、まだまだ考察は止まらない。

もしかすると『君』は『私』自身かもしれないし、なんなら『光』というのも、