圧倒的に走ってく

基本的には行ってきたライブのこと。たまにCDと本と諸々の話。

清竜人歌謡祭

清竜人吉澤嘉代子の歌謡祭に行ってきた。
入ってみるまでどんな雰囲気なのかヒヤヒヤしていたものの、まったくもって杞憂だった。

いただけないのは、
エレベーターの待ち時間ぐらいでしょうか……


整理番号順にエレベーターに乗り込むのですが、これがまあ、

長い。

長いだけなら別に気にならないのですが、乗り込むまでのシステムが、

いい具合にグッダグダです。

10人乗りのエレベーター二台しかありません。
そりゃ時間掛かりますわな。

なんとなく不安を覚えつつもエレベーターに乗り込み、受付へ。
チケットをもぎって貰うところで、「今日のお目当ては?」との質問が。
「両方」と言いたいところですが、これはアンケート。
どちらかをきっちり伝えて、いよいよ会場へ。

そこには昭和の映画のような光景が――

赤い緞帳とムーディーなシャンデリア。
大正浪漫すら感じます。
よく考えたら東京キネマ倶楽部ですもんね。
前身はキャバレーだったそうで、普段はダンスホールだそうです。

かなりラフな格好をして行ったのでそこそこの場違い感も感じつつ、物販を横目にステージ前へ。
整理番号遅めなので曲聴くだけでいいかなーと適当な場所に陣取ってみましたら、

一挙一動見える距離でした。

理由はホール自体がそこまで広くないことと、二階席が大盛況だったため。
説明が難しいんですが、一階席の中央寄り右。ここ、穴場です。
……いやまあ、公演の内容によるとは思いますが。

『月曜日戦争』のイントロが掛かって夢の世界のはじまりはじまり。
「私たちのファンはどこへでもついて来てくれる雰囲気がある」……
そりゃついて行きたくもなります。これからもきっと、予測も出来ない方向に向かってくれるはずですから。
そんな嘉代子さんの隣には白いワンピースの方が。
え、まさかこの方は……
嘉代子さんのバンドメンバーにしてKIRINJIの弓木英梨乃さん!?
まさかお会いできるとは。
そんな二人が醸し出す空気はもはや漫画の世界。
お二人とも声の透明感がエグい。そして相性抜群。
そんなお二人の『おとぎ話のように』
この歌はシンガーの決意を描いた歌。このロケーションにぴったりで、聞き惚れました。
そのままの流れでの『らりるれりん』はギターセッションがエグい。
いわゆる「ギター女子」では片づけられない力強さ。
ライブDVD出して下さい。切実に。
その後は小休止として、この東京キネマ倶楽部の話に。

東京キネマ倶楽部の三階には、魔物が居る、という話は、知っていますか……?」
(言いながら、なにもない虚空を見上げる)
(ざわつく会場)
「……あ、私が考えた都市伝説なんですけどね」
「三階には照明さんや音響さんが居ます」

……もう、どこまで人の心を弄ぶ気でしょうか。

その流れで、話は弓木さんの元へ。

「どう?キネマ倶楽部」
「何度か来たことはあるけど……演奏は初めて、かな」
「そう。じゃ、私とがはじめてなんだ?嬉しい?」
「……」
「ねえ、嬉しい?」
「い、言えない……」
「なに、言えないって」
「……こんなところで、言えない」
「言ってよ」
「言えないよ」
「あなたと私の仲でしょう?」
「……言えない」
「言ってよ!」
「言わない!」
「言えよゴラア!」←怖くない
「言わねえよゴラア!」←ちょっと怖い
「言えって!」←全然怖くない
「言えないよ、だって、だって……!」

まさか口喧嘩を至近距離で見られるなんて思わなんだ。
台詞の端々に突っ込みたい気持ちは抑えて内心そわっそわで見てましたら

「嘉代子ちゃん……!」

(俯き、息を吸う)

「――の、ワキの毛!」
「出てるの!ずっと!」

それがまさか、『ケケケ』の前振りだなんて……

「秘密があるのだ言ったら消えちゃう秘密が」の『がらんどう』の前振りだと思っていました。

会場巻き込んでの『ケケケ』ダンス。
歌っている嘉代子さんが一番楽しそうでした。

が、その流れで『えらばれし子供たちの密話』デュエットは……!

会場真っ赤っかな『麻婆』、真っ青な『人魚』
ギターのアルペジオが心地好かったです。

そして、嘉代子パート最後はやっぱり、『残ってる』
夏の終わり、季節に取り残された女の子の歌を、アコースティックに。
弓木さんと目を合わせて歌っているところが印象的でした。
どこまで幅広く声を出せるんだと心配する場面もありましたが。

ここで嘉代子さんと弓木さんが捌け、今回の主催者、清竜人が、

なんと二階席から登場!

……ステージにも二階席があるんですね。もう驚くしかありません。

貫禄たっぷりの登場と色気のある声で、会場のボルテージはマックスに。
嘉代子パートの時のふわふわした優しい空気はどこへやら。
竜人パートはムーディーで危ない雰囲気。

『Love letter』の歌詞、「――射止めるのさ」に合わせて指を客席に向けるんですが、その時、

隣の女性が、胸を押さえてぐらつきました。

立ちっぱなしでふらついただけかもしれませんが、こちらには見えました。

清竜人の指先から出る波動が……

隣の女性はどう見ても射止められていました。
ちょっと古い表現ですが、どう見ても目がハートマーク。
その後もどんどん会場の人を落としていく清竜人
女性どころか男性まで虜にしていました。
なんて罪作りな……

その最高峰は、ある曲に向かう前の、一言。
聞き間違いでなければ、さらっと凄いこと言ってました。ここには書けないぐらいの。

もはや会場の全員が竜人の愛人になっている……!

そんな空気がひしひしと。

そうして迎えた最後の曲。
「アンコールはありませんので、すぐ帰って下さい」
なんて言葉で笑いを誘いつつ、曲目の発表。

「デュエット曲です」

(ざわつく会場)

吉澤嘉代子さんと一緒に」

(そりゃツーマンの最後だからな……いつの歌謡曲だ?)

「今度、二人で出す曲です」

(!!!?????)

なんと完全新曲。それも、この二人での制作。

『目が醒めるまで』

大恋愛をした二人の歌。
どこか美しく、どこか色気のある横顔の二人。
ムーディーで他の誰にも近付けないような空気。
その雰囲気はまさに、60年代歌謡曲
しかしこの二人、実際に会うのは今日で二回目なんだとか。
しかも二人とも平成生まれ。

とてもそうは見えませんでした。二人とも憑依型……

キネマ倶楽部の妖しくも恐ろしい雰囲気も相まって、
気付けばCDの予約の列に……

あ、もしかしてこれがキネマ倶楽部の魔物でしょうか。でしたら居ますよ。魔物。

予想外で予定外だらけだった今回の歌謡祭。
ロケーション的に予想していたシーラカンス通り』『屋根裏』『ぶらんこ乗り』
全部外れました。
いやもう『ケケケ』(とその前の寸劇)が楽しかったので気にもなりませんが。
思い返すのは嘉代子さんが冒頭で言っていたこと。
いやはや、ついて行きます。まだファン歴浅いですけど。

とりあえずはアルバムもシングルも発売する11月。
新曲の宣伝イベントあるんだろうなー、と嘉代子さんの呟きを見に行きましたら、そこには今日の思い出写真と、

ひたすら弓木さんの可愛さを語る嘉代子さんの姿が…

いやまあ、弓木さんは素敵ですよね…そりゃあ…(投げやり)