ハグロック2023GW@渋谷各地。
去年は全力疾走する廊下が見られたフェスでしたが、今回は一部を除いて全く走らなかったフェスでした。
年二度の渋谷大運動会、とよく例えられるこのフェス。
今回は午前中用事があったので途中からの参加に。
裏のタイムテーブルを眺め、今日は運動会要素無さそうだな…と思いながら、渋谷gee-ge.へ。
遠坂めぐ
そっとドアを開けて、顔を出す。
もう始まっている…身を屈めながら、空いていた席に座る。
遠坂めぐさん…初見の人だ。
ピアノが綺麗に鳴っている。喋り声が高い。
歌い出すと、喋り声とは違って低音がよく響く人、という印象で、明るくヤバい歌詞を歌ったり、売れているアーティストを羅列したり。
どんな歌詞だよ…と思う所と、心に来る所があり、初っ端から情緒がおかしくなった。
tiktokの一発屋にはならない。そんな心意気が、余りにも強く響いていた。
夏未
続いてやって来たのは、黒い衣装を身に纏った、夏未さん。
サウンドチェック、『君がくれた花束』だ…！
といきなりテンションが上がり。
『旅人へ』と『珊瑚礁』で、海の中に連れて行かれたような気分になった。
新曲『ミッドナイト・ハイウェイ』は疾走感があって、頭の中に高速道路の風景が浮かんだ。
夏未さんの歌はこの場所に留まらない。
gee-ge.を越えて、更に深い場所へ。聴きに行く度に、深みに嵌まっていく気がする。
はるかぜ
続いてやって来たのは、今回ハグロックに行こうと思った最後の一押しとなった、ハグロック初出演、はるかぜさん。ピアノ･ギター二刀流のその姿。
凛としているようで、とても優しい声。
そんな声で奏でられる『犬がこわい』…やっぱり好きな曲。
これは本当に犬が怖いと思った事がある人にしか書けない。
『金魚すくい』は以前にも聞いたことがある、仄暗い、しかし考えさせられる曲。今回はなんだかステージを水槽として例えているように聞こえてしまった。そんな意図は無いと思うが。
(様々なアーティストがいる中で)「人が来てくれないかと不安だった」との事だが、あの歌と声なら来ない訳がないと思う。
『おまじない』はどこまでも優しくて、『傘』は、もはや優しすぎて少し怖くもあるぐらいの愛情。自分がずぶ濡れになっても、傘を差し出してくれる。あなたの優しさが怖かった、というのはこういうことか…(違います)。
そんな曲が無料配布音源なのも優しいけど、優しいけど…！ 思わざるを得ない。
最新音源hintはきっちり購入。
これもまた安い…お財布にも優しい…けど…
優しさは怖い…(？)
麗奈
はるかぜさんの物販を終えて、gee-ge.を飛び出した。次にどこ行くか全く決めていなくて、cyclone覗いてみたりMilkywayに行ったりしたが、どこも休憩時間に当たってしまったので、最終的に向かったのは、THE GAME。
少し前に見て、余りにも眩しい印象を受けた麗奈さん。
一本芯が通ったような歌声で、イメージは浅葱色。
まだまだ進化する人…という印象を受けた。
背筋がピンと伸びていて、変わらず眩しい雰囲気。
次見る時にはまた印象が変わるのだろうか、徐々に集まってきた沢山の人の山を見ながら、そんな事を思った。
優利香
麗奈さんの次はどこに行くか、と考える間もなく、人が溢れて身動きが取れなくなった。
この次は…いつ行っても入場規制で、今回やっと初見となった優利香さん。相変わらず凄い人入りだ…
歌詞が強くて、でも明るく笑い飛ばす。
声高らかに、でもポジティブ一辺倒という訳ではなく。
イメージは両極端、赤と黒。
元気で格好良い…そりゃいつも入場規制にもなるよな…
天野花
元気な優利香さんが去っていき、続いてやって来たのは…「どんなことがあってもここは聴きに行こう…！」と決めていた人、天野花さん。
リハーサルからフロアを乗せて、そんな折に「推しは他に居ると思いますが…」という文面を投げてくる強さ。
…もちろんジョークなのは分かるのだが、ブラックが滲んでいる。
『Butter』で境目が無くなるぐらいに溶け合い、『Booing』で際限無く落とす。
そして心の中で中指を。ロック。
ギターを抱えるように歌う方なので、ちょくちょく人集りの中に見えなくなる。
それが滅茶苦茶格好良い。
『群青』で会場が真っ青になった時は青い炎を思い浮かべた。
「――私が終わったら、物販とかどうでもいいから好きな女の子の所に走ってよ！」
ま…またそんなことを…
と思いながらも、ここだけは走った。
今回唯一廊下が走った。
〝美根〟
向かうはTHE GAMEの一階下…スターラウンジ。
今回のタイムテーブルで唯一どっちに行くか迷った所だ。
好きな女の子の所に走った(語弊)結果、最後の曲だけ聞くことが出来た。
『強く願えば強く光刺す未来が近づいてくる』
『まだ先が続いてる』
シャンデリアに照らされながら、光を求めるその曲。もっと多くの人に届けたい、という気持ちを強く感じた。
楽しそうに歌う姿を見て、明日も頑張ろう、と思えた。
…走って良かった。
玖咲舞
階段を走ったので、今度は無理なくgee-ge.に戻ることにした。
…空気が既に鋭い。先ほど来たgee-ge.とは別の場所のようだ。
鋭い眼光と、その佇まい。よく名前は聞くな…とは思っていて、今回が初見の、玖咲舞さん。
今回行った場所で、最大の人入りだったと思う。
第一声、その眼光と佇まいに違わぬ鋭い歌声に圧倒され、ねじ伏せられる。
そんな感覚がした。
イメージは紫色。
軟弱者はザクザク切り裂かれてしまう、鋭くて美しい旋律と、戦慄の歌詞…
そりゃこの人集りにもなるよな…と。
今回がハグロック最後の出演になるそうで、その旋律をしっかり焼き付けた。
…次があるとしたら、何処で会うことになるだろう。そんなに遠くない日の気がする。
藍谷凪
玖咲さんのとんでもない世界に浸っていると、もうこの場所のトリがやって来る時間になった。
今回のgee-ge.のトリは藍谷凪さん。
サウンドチェックで、お返しとばかりに夏未さんの曲、『誓いの歌』を。
この二人の関係性を知っているとふふっとなる。
ピアノの一音目から引き込まれて、『夢の中』で昇華して。
柔らかくて優しい雰囲気がgee-ge.をまとっていく。
そんな雰囲気もあってか『君がくれた花束』と『君と花束』には、いつものヒリヒリした感覚はあまり受けなくて、橙色から赤色に変わっていく感じがした。
代わりに、人間らしさ、というのを強く感じた。
隠れていない人間味。
聴く度に印象が違う。本当に不思議な曲だ…
そんな『君がくれた花束』の音源と、紅茶への意気込みを聞いたら、手にせざるを得なかった。
これからじっくり聴き込み、歌詞カードを読みながら紅茶を楽しむこととして、優しい気分のままgee-ge.を後にした。
サーキットフェスは全部そうだが、タイムテーブルを眺めて「ここなら行ける」とか「うわー被った！」とかなるのはもどかしくも、楽しくもあり。
行くと決めていた人を見てやっぱりここ来て良かった！となったり、全くノーマークだった人がめっちゃ格好良い…！となったりしても楽しいし、行かなかった人のセットリストを見て、こっちも行きたかった！となるのもまた一興。
今回は一部を除いてあまり走らなかったが、次回は走るだろうか。
待ってろハグの日ハグロック！！
そんな事を思いながら、明日も早いので渋谷駅まで走るのだった。
〜今日のタイムテーブル〜
