圧倒的に走ってく

基本的には行ってきたライブのこと。たまにCDと本と諸々の話。

白と黒とメとめ

光と闇の対決……いいえ、サメとうふとさのめいみ。のライブを見てきました。

素敵なライブでした(語彙力)。



はじめましての下北沢440
初めて行く会場というのはなんとなく緊張するもの。
行き着くまでも恐怖ですが、行き着いてからも恐怖。
それは、どの席を選べばそのアーティストと適切な距離感で観られるか分からないから。
なんとなくで選んだその席は、「最前じゃないのにアーティストと隔たりがない席」でした。

サメとうふのライブに行くのは二度目。
まだ知っている曲数が少ないため、見る側としてもかなり手探り状態。
なので聞き慣れない曲が来ても、「こんな曲もあるんだ」ぐらいのスタンスで。
……行ったのに、驚いてしまった。

毎度のお馴染みの曲らしい『オレンジジュース』。
『弱いところを包み隠さず言葉にして』
『この時間お前らは私のものだと言わんばかりに』
『裸足で歌っている彼女の目にはなにが映っているのだろう』
この曲はお客さん側からミュージシャンのことを見た歌で、本人がライブに行った感想をそのまま歌にしたんだそう。
モデルはいれど、聴いた人によって思い浮かべるミュージシャンの姿が違いそうなことがポイント。
……ここで思い浮かべた人?それはそのー…

続いてはなんとInstrumental。
曲自体はよく聴けばもう知っている『交差点』。こういうところで変化球投げてくるのか…あなどれない。

続いての『水槽』は、聴く度に染み入る曲。
頭を水に浮かべているような気分。

ここでMC……というより、サメさんからさのめさんへのラブレターお手紙コーナー。
仮にも2/13になんて話を……と思わざるを得ない。
さのめさんもさのめさんで自分宛の手紙を読み上げられるとは思っていなかったらしく、楽屋から悲鳴にも似た叫びが。

ぎゃあぎゃあ騒ぐさのめいみに、楽しそうに笑うサメとうふ。

出会いから、ワンマンへの意気込みと感想、『ご親族の方ですか?』と周囲に言われるぐらい泣いたという話。
これは文章の組み立てが上手い人の手紙だな…と聴き入る。
手紙には人柄が丸出しになる。未だに寂れないのはそういうところもあるんだな…と実感できる内容。
それすら凌駕する特大の感情。

「さのめいみさんと出会っていなかったら、私は――」

ラブレター手紙の朗読が終わり、続いてはさのめいみ。さんの曲のカバー。

その曲は『さよならトレイン』。
サメとうふさんはさのめさんのこの曲が好きなんだそうで、
内容としては恋の終わりを踏切に例えて、という内容。

さよなら、を連呼するところはサメさんの可愛い声でコーティングされて、サラッと心に入って来る内容に。
失恋ソングを明るく歌える方も居るんだな……と興味深く見るばかり。

そして更なるサプライズ。
完全新曲。
……タイトルを教えてくれないのはご愛嬌。

続いてやってきたさのめいみさんは、まだまだ戸惑いの色が。
そりゃそうだ、あんな感情の塊プレゼントされちゃったんじゃあ……!

影を生きる人の歌『ライト』、アリストテレスも真っ青な『週末、日曜日』。
そしてなんと、サメとうふさんも歌っていた『さよならトレイン』。

「白線の内側にお下がり下さい――」

という語りから始まるこの曲は、相当な想いを詰めて作られた曲なんだそうで。
「……語りすぎたかな」
とご本人が言っていたので詳細は書きませんが、圧倒されるには充分だったことは付記しておく。

感情がそろそろどこかにいきそうになったところで、アンコールに。
アンコールは、お二人のデュエット曲。

ファン層が被っているとは思っていたが、まさかデュエット曲とは。
『彩』(いろ)という名前だというその曲は、このライブの全てを象徴するような曲だった。

とても幸せな気分のまま帰路に。

また行こう。そう思うには充分すぎた。