圧倒的に走ってく

基本的には行ってきたライブのこと。たまにCDと本と諸々の話。

ライブ最高、フロアは

GIFT#2@Shinjuku SAMURAI。
正直、感想を書くかとても迷ったライブ。
ライブはとても素敵だったのでそのまま書くが、それ以外の部分の詳細はタイトルからなんとなく察して欲しい。

早く着きすぎて、結構な時間うろついていた新宿SAMURAI前。
そう、国道前なので、開場前の待機場所がないのである。
傍から見たら不審者だな…今後は開場直前に来よう、と決めて、降りていく階段。
検温と消毒、受付からの、ドリンクチケット、を…
!? ドリンクチケットが、小判…!?
いきなり面食らいつつ、600円と小判を交換し、ドリンクを貰う。
…間に小判挟むだけで何だか悪い事してる気分になるのは何故だ。
ドリンクを見つめていると、もう開演時間。

たにもとみなみ(小夜中)

最初にやってきたのは…声が特徴的な女性。
歌い出しからびっくりするぐらいの高音。
現在はバンドを組んでいるということで、続いてはバンドの曲。
不思議な響きで更にその世界に。
次はバンドでも聞いてみたい、と思っていると、突如フロアに現れたバンドメンバーがその場の全員に無料音源を配るパフォーマンス。
これは宣伝力だな…と思いながら音源を鞄に入れる。
…あとで物販も寄ろう、そう決めて。

いつかの空蝉

続いてやって来たのはいつかの空蝉。

いきなりの『スーパーフライデー』でがっつり心を掴まれて、その鬱屈した思いに触れる。

「どんなに…どんなに少なくても!」
「私たちを聞きに来てくれる人が居る限り!!」

どんな逆境にあってもこの人達は音楽を続けてくれる。
そう思わせてくれる絶対的さ。

…近い内にまた聞きに行こう。そう決めた。
のだが…
いや、まさか、なあ…

歌田真紀

続いてやって来たのは…真っ白の服を着た、眼光鋭き人。
出てきた瞬間、フロアの空気が凍ったのをよく覚えている。
歌い出すと、更に空気が凍りつく。
じ、自分の事を歌で切り裂いている…若さと自身を削って、血を吹き出させながら歌っている…
見ていて背筋が寒くなるぐらいだったのだが、フロアは熱狂も熱狂。
カリスマだ…見ていて、そんな感触を受けた。
…しかし、いつかぶっ壊れてしまいそうだ。もしかしたらもう既に…

そんな事を思っていたら、この人は数奇な運命を辿って、奇妙なバンドを組むことになった。
…そんな事は、この日は知る由もないのだけれど。

「――天皇陛下お誕生日おめでとうございます」

…あ、そうだ今日って…

Ulon

最後は、今回唯一の男性ボーカルバンド、Ulon。
エドワード・ゴーリーの『うろんな客』から取った名前だな、と思ったものの、実際は何故かナスをめちゃくちゃ推しまくるバンド…本当に何故だ。
少し不安定な印象を受ける歌詞と、聞き心地の良い歌声。
そして、滲み出る音の変態…
たぶん二回目を見たらガッと嵌ってしまうタイプのバンドだな、と思っていたら、見る前に活動休止となってしまった。

そしてボーカル変更を経て、更に変態(語弊)になって帰ってくる事となる。そんな事は、勿論その時は知らない。

終演後、階段を上がり、看板の写真を撮った。
同じライブは二度と無い。
とは言うが…
…この日は、様々な運命が絡まっていた日だったんだな、と今は思う。
看板すら、思い出だ。